次世代マーケティングエージェントユニット「Wonder.3」がお届けする対談企画。
今回は、マーケティング領域におけるAIエージェントサービスを共同で発表したAthena Technologies CEO 阿部さんとの対談をお届けします。
■対談メンバー紹介
インタビュイー :株式会社Athena Technologies CEO 阿部 武

インタビュワー:備前島 拓人 (株式会社新東通信 東京本社 IBS本部 本部長、Wonder.3 BIZEN ニキ)

BIZENニキ:本日は、株式会社Athena Technologies CEOの阿部さんに来ていただいてます。Athena Technologiesさんとは8月25日に発表されたリリースをもって新東通信Wonder.3として戦略的業務提携を行っております。阿部さんよろしくお願いします。
阿部さん(以下敬称略):株式会社Athena Technologiesの阿部です。よろしくお願いいたします。
BIZENニキ:阿部さん簡単ですけれども、自己紹介と会社についてのご紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

阿部:はい。改めまして、Athena Technologiesの阿部と申します。東京大学の松尾研究室で3年ほどAIの研究開発の方をやっておりまして、研究室の特色としてあるスタートアップを生み出していくというところから、私もAIの技術を社会実装をしていくことを念頭において会社を立ち上げました。インフラ系の企業など、通常ではAIを使えないようなセキュリティ要件の高い企業にAIの基盤やアプリケーションを導入していくことをメインに事業を推進しております。本日はよろしくお願いします。
BIZENニキ:ありがとうございます。続いて、阿部さんの今までの経歴とAthena Technologiesを立ち上げた経緯、それまでの学生の話など簡単に教えていただけますか?
阿部:元々私は東北大学の方で情報系の学生でAIの勉強をしておりました。その際に松尾研が開催するコンペティションに参加し、たまたま上位に食い込んだところから、「一緒に研究しませんか」というお誘いをいただいて松尾研の方に関わり始めました。松尾研での取り組みの中でシリコンバレーツアーのようなものに先生と一緒に参加する機会が起業する半年ほど前にありました。その時初めてシリコンバレーに行ったのですが、その熱に当てられたと言いますか、、。(笑)
現地でOpenAIやGoogleといった最先端IT企業やスタートアップを多く見て、僕と年齢が変わらない人がスタートアップを立ち上げてどんどん大きくしているのを目の当たりにして、「これもやればできるんじゃないか」と生意気ながら考えました。帰国して2日後にはもう会社を登記したというようなスピード感で会社を立ち上げました。最初は様々な仕事をしていましたが、現在は関西エリアを中心に事業展開しており、通常AIを使いづらい領域にAIを導入していく事業に行き着いています。
■AIエージェントの今

BIZENニキ:実はAthena Technologiesさんと業務提携したいというBIZENニキの意図があり実現しました。この半年ほどスタートアップの皆さんと専門的な領域で様々な業務提携や連携をさせていただく中で、やはりどうしても気になっていたのがAIエージェントでした。Athena Technologiesさんが元々大きなシステムAIの開発・納品をされていることは分かっていましたが、今回ご縁があってAIエージェントについての開発運用、プランニングをお願いしたいというものでした。AIエージェントの捉え方は人によってバラバラですし、今日現在でも何なのかはっきりしていない状況ですよね。今回マーケティング分野での活用でご協力していただいていますが、マーケティング以外の分野の話としては阿部さんの感覚としてAIエージェントについてどのようなイメージをお持ちでしたか?
阿部:そうですね。我々から見た時には、LLM(大規模言語モデル)という技術の正当進化の形であると率直に受け入れています。生成AIが注目され始めたのは2022年12月にChatGPTが発表されてからですが、最初の1年ほどはRAG(検索拡張生成)と呼ばれるチャットボット、つまり聞かれた質問に対して社内データなどを参照しながら回答するものが多かったです。しかし、それだけでは自動化の幅が足りないという点が課題でした。LLMをスケールしていく中で、LLMの考える力、思考力がどんどん向上し、今ではただ聞いて答えるだけでなく、与えられた指示に対してそれを自分でタスクに分解し、プランニングして仕事を進めていくというような、より人間に近い知性を獲得し、その結果がAIエージェントとしてどんどん実用化されている方向に向かっていると考えています。
BIZENニキ:ありがとうございます。我々は事業広告会社という形で展開していますが、今後半年、1年、3年後には各社が独自の事業領域において自社内製でAIエージェントを作り、活用する時代だと思っていいですか?
阿部:そうですね。AI自体はどんどん導入のハードルは下がっていくと思いますが、現時点では自社での導入はまだ難しいと考えています。ただ、これが将来的に1年後、2年後となると、技術のハードルがさらに下がっていき、自動的に導入されるようになると思います。
BIZENニキ:なるほど。マーケティング業界、広告業界におけるAIエージェントの取り組みについてですが、大手広告会社やそのグループ、コンサルティング会社がやはりこの半年ほどAIエージェントの取り組みを始め始めています。さらに、戦略としての導入が非常に多いと感じています。いわゆるフレームワークだったり、コンサルだったり。そうすると、もう少しズバッと言ってしまうと、金額感が合っていないというか、何が正しい経験なのか分からないまま今日に至るという感覚が私の方ではあるのですが、これについて阿部さんどう思いますか?
阿部:そうですね、おっしゃる通りだと思います。大手コンサル会社などがターゲットにするのは、やはり上流の全体のDX戦略策定など、少し下流の部分になるかと思います。そういった大きな仕事となると、「AIエージェントをやりましょう」で何千万、場合によっては億という金額になるかと思います。これは賛否両論あると思いますが、いい点は全体の絵を描けるというところではあるものの、最大のデメリットとして、半年や1年という単位でAIエージェントは異常なスピードで性能が向上していく中で、絵を描いている最中に前提条件がそもそも変わってしまうということが十分あり得ます。そういった中で、「小さく始められる」というのは非常に大事だと思っています。

■共同開発ソリューション『Speed&Light』
BIZENニキ:実は今回、阿部さん率いるAthena Technologiesさんには、技術やエンジニアリングの部分について突出したものがあると思っていました。
今おっしゃったように「まず簡単に始められるAIエージェントを作りたい」という我々の思いのもと、無理を言ってお願いしたという背景があります。新東通信が他の広告会社と違うのは、早くトライし、トライアンドエラーを経てグロースしていく機動力だと思っています!今回、Athena Technologiesさんとの共同で行うAIエージェントのソリューション開発にあたって、とりあえず両社でトライしてみましょうということでマーケティング領域のパッケージをつくるという方向で『Speed&Light』というソリューションができました。クライアントから見て”安価で手軽にお試しできるもの”を作ろうと思って依頼をさせていただきましたが、それを聞いた時はどう思われましたか?
阿部:率直にクライアントに対する価値という点でいくと、私個人としては最も良いやり方なのではないかと思っています。大きく投資してしまうと引き戻せない、後戻りができないという状況に直面する可能性があります。AI技術は通常のシステム開発と違って100%を求めるものではないという前提がありますので、実際に使ってみてうまくいったらスケールさせる、うまくいかなかったらそこでクローズするというのが技術に対する適切な扱い方なのかなと思います。
BIZENニキ:ありがとうございます。元々数年前にデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXという言葉でデジタルを通じたシステム構築が流行った時期がありました。そうしたシステムをしっかり変えるためには、何億円もの投資が必要だと思います。先ほどの話に戻りますが、AIエージェントがまだなんだかよく分からない状況で、一般的にはChatGPTでアイデアをもらったり、Google検索の代わりにAIを使うといった状況のなかで、AIというものにまだ本当に何億円もかけていいのか分からないからこそ、安価にスピーディーにトライしてみませんかというサービスを今回一緒に出す中で、阿部さんの方からもそういうコメントをいただけると我々も自信がつきます!(笑)
一方で、今回『Speed&Light』というAIエージェントのパッケージを出しますが、我々の考えでは、このようなものは1年後、3年後には独自で皆さんができるようになるという思いを込めて開発しています。つまり、これもとにずっとPDCAを回していくというよりは、まずAIエージェントがなんだかよく分からない中で一度触ってもらって、その後で各社が自社開発などで推進できるようになるというビジョンを持ってのリリースなのですが、その辺りの阿部さんの感覚はいかがでしょうか?

阿部:そうですね。先ほども申し上げました通り、LLMに関連する技術は我々でも追いつくのが大変なぐらい加速度的に進化していますので、1年後2年後にはAIエージェントは割と業界にも浸透していっているのではないかと思っています。ただ一方で、どこまでいってもやはり人間側のリテラシーの高さが最終的にはAIエージェントの性能に影響してきてしまうところではありますので、現時点でまず軽く触ってみて感覚を掴むと言いますか、「AIエージェントってこういう風に使えば、こういう成果が出るんだね」というところが見えてきた段階で、将来的にそれを拡張していくような取り組みにクライアント様が繋げられるのであれば、それが一番良いのではないかなと思います!
BIZENニキ:ありがとうございます。新東通信が事業広告会社として事業を推進しているということもあり、今回『Speed&Light』の中身をマーケティングの7つのパッケージとして設計しました。Athena Technologiesさんはマーケティング領域は専門領域外だと思いますが早くご理解いただき、マーケティングのプロセスのパッケージに落とし込むことができました。この7つパッケージへの落とし込み方についてお感じになられたことはありますか?
阿部:はい。そうですね。やはり我々のようなAI技術を専門とする集団にとって、こういった事業に対するドメイン知識がなかなかないのが、一番入っていく際の課題だと思っています。今回、業務提携という形でご一緒させていただく中で、新東通信さんの広告・マーケティング周りの知見をいただいて、しっかりとサービス設計ができたというところが、まさに両者の強みを合わせた結果なのかなと感じています!

BIZENニキ:ありがとうございます。逆に返しますと、我々はエンジニアを抱えている会社ではありませんので、Athena Technologiesさんの技術スタッフの皆様、そして『Speed&Light』の要となるMCPの導入についてはとても心強く思っています。簡単に提供でき、簡単にトライしてもらえる、その中でも他のAIエージェントとは違う作り方として、このMCPの実装があると思うのですが、この辺りもう少し詳しく解説していただけますか?
阿部:はい。MCPというのはモデルコンテクストプロトコルの頭文字を取ったものです。簡単に申し上げますと、AIが外部の道具を簡単に使えるようにするサーバーのことをMCPと呼びます。今まではSlackを呼び出してメッセージを送ったり、外部サービスにアクションを起こそうとすると、Slack用、Gmail用、Googleカレンダー用など、様々な専用プログラムを自前で書かなければならず、それが大変なポイントでした。 このMCP化が進んでいるところでは、外部のツール(Slack、Gmail、Googleカレンダーなど)が既にツールの使い方をAIエージェントに提供している状態になります。ですので、我々は「Slackを使ってください」という指示を出すだけで、Slackから通知を受け取ったり、メッセージを読み取ったりすることが可能になるものがMCPの技術です。

BIZENニキ:ありがとうございます。その技術の実装に伴って、7つのコンシェルジュ、例えばCopy Creatorコンシェルジュ、MA Scenarioコンシェルジュなど、それぞれ普段我々がケースバイケースで広告面、クリエイティブ面、プランニング面で活用しているような考え方がそれぞれMCPアダプターを活用することによって連結されて整理できるようになるのも強みだと思います。 さらに、我々も一緒に一緒になって考案しているので少し自慢になるのですが(笑)、7番のPerformance Trackerコンシェルジュといって、設定したKPI指標の収集からデータ比較を行い、マーケティングのシナリオが正しいかどうかをチェックできるパッケージができたのも一つの強みですよね。
阿部:Performance Trackerコンシェルジュに関してはリリースにも書かせていただいている通り、デモンストレーションなどもありますので、それを見ていただければどのような有用性があるのかイメージも湧きやすいかと思います。実際にデモを作成して使ってみると、社内のマーケティング担当者が増えたようで、このサービスがあると便利だなと我ながら思いました。(笑)
BIZENニキ:そうですね。制作していただいた動画を見て「なるほど。AIコンシェルジュ、我々が提供している『Speed&Light』を使うとこういったものが出てくるんだね」「課題に対して実施したほうがいい施策がどのようなものなのかの勉強にもなるんだ」という思いで、使ってもらえるといいですよね。
阿部:はい、そうようにして少しずつAIエージェントの有用性を知っていって欲しいです!
■Athena Technologies 今後の野望
BIZENニキ:Athena Technologiesさんとは今回はこのような取り組みで弊社と一緒にやらせていただきましたが、今後の野望や会社の方向性など教えていただけますか?
阿部:冒頭の自己紹介でも簡単に申し上げましたが、我々のミッションとして考えていることは、「規制産業」つまり“通常セキュリティ要件が高く、生成AIといった破壊的イノベーションと呼ばれる技術を使えない企業、セキュリティとイノベーションのトレードオフがあるような企業”に対して、AIを使える環境やLLMの基盤を提供していくことです。そして、その上にアプリケーションの部分を提供していくことで、日本の競争力の向上に繋げていきたいというのが今の野望です!!

BIZENニキ:ありがとうございます!最後に、今回は『Speed&Light』というAIコンシェルジュの簡易パッケージを共同でリリースさせていただきますが、新東通信Wonder.3は360°のクライアントに対応しておりますので、Athena Technologiesさんと一緒に、AIエージェントやその他システム周りも含めて、様々なクライアントにソリューションを提供していきたいですね。
阿部:そうですね。我々は実はそんなに広告周りの業界のクライアントを持っていないので、そういった中で今回この業務提携をきっかけに、業界への参入なども図れたら、我々としては非常に嬉しいことだと思っていま!
BIZENニキ:ありがとうございました!今回は『Speed&Light』リリースの対談ということでお話を聞かせていただきました。引き続きご協力いただければと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。

■株式会社Athena Technologiesについて
株式会社Athena TechnologiesはセキュアなAI・データ解析技術を起点に、より便利でスマートな世界を実現するDXカンパニーです。最先端アルゴリズムの開発によって企業様のあらゆる課題を解決し、成長力を高めるご支援を行っております。クライアントへ長期的に伴走し、DXを支援する各種ソリューションを展開いたします。
代表者:代表取締役CEO 阿部 武
東京オフィス:東京都文京区本郷6丁目25番地14号 宗文館ビル3F
大阪オフィス:大阪府大阪市都島区東野田町4丁目15番82号NTT WEST i-CAMPUS QUINTBRIDGE 3F
京都オフィス:京都府京都市左京区田中門前町73 百万遍ビル 3F
事業概要 :DXパートナー事業、AI SaaS事業、AIセキュリティ事業
会社HP:https://athenatech.jp/
Wonder.3ウェブサイト:https://www.wonder-3.com/